読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

イーロン・マスクのすすめ

最高の男、イーロン・マスクについてのブログ

イーロン・マスクはなぜトンネルを掘るのか

f:id:Elongeek:20170524210540j:plain

イーロン・マスクがThe Boring Companyという会社をつくりました。これで彼が持っている組織は、1)SpaceX2)Tesla3)OpenAI4)Neuralink、そして5)The Boring Companyの5つになりました。そこで、今回はイーロン・マスクがThe Boring Companyでどんなことをやろうと考えているのか見ていきたいと思います。まずは、The Boring Company以外の4つの組織について簡単にご説明しましょう。

 

1)SpaceX: 人類を他惑星に居住する生物にするため、再使用ロケットをはじめロケットの開発・製造・打ち上げをおこなっている

2)Tesla: 持続可能なエネルギーの到来を早めるため、電気自動車、バッテリー、太陽光発電用タイルの開発・製造・販売をおこなっている

3)OpenAI: 人工知能(AI)による危険性を排除するため、人工知能の研究開発をおこなっている

4)Neuralink: 人間の脳とコンピュータをつなぐため、 BMI (ブレイン・マシン・インターフェース)の研究開発をおこなっている

 

どれも壮大なスケールの事業ですね。イーロン・マスクは人類にもっとも影響を与える分野に従事したいとの思いから、次々にイノベーションをおこしてきました。その過程・結果として、これらの組織が存在するわけです。もちろんThe Boring Companyもその1つ。では、The Boring Companyがどんな会社かというと:

 

5)The Boring Company: 交通渋滞を解消するため、トンネルを掘る掘削機を研究開発・製造し、トンネルを整備をおこなう

 

いかがでしょう。他の4つの組織と比べるとなんだか地味な気がしないでもないですね。でも、じつは他の組織に負けないくらいスケールの大きな会社なのです。

 

なぜトンネルを掘るのか

そもそも、なぜ交通渋滞が発生するかというと、人が移動するときに利用できるスペースが少ないからです。(もちろんそれ以外にも様々な要因はあるにせよ、根本的には、渋滞は移動スペースが許容量を超えた場合に発生します)

 

なので、イーロン・マスクは移動スペースを増やすため、交通インフラを3D構造に変えてしまおうと考えています。例えば、マンションやオフィスビル等の人が居るスペースはすでに3Dになっていますね。高い建物は数十階という高さの構造をもっています。にもかかわらず、移動のときは地面に降りてきて2Dの移動スペースしか利用していない。3D空間に分散していた人々が移動の際に2Dへ凝縮されるわけです。渋滞の発生が容易に想像できますね。そこで、移動スペースもマンションやビル等と同じように3D化して、より多くのスペースを確保しようという発想に至ります。イーロン・マスクらしく、問題を解決するときはいつもその問題のもっとも本質的なところを突いてきます。

 

さて、交通インフラを3Dにするには2通りのやり方があります。1つは空飛ぶ車。上空を活用するわけですね。しかし、このやり方には問題点が複数あります。天候に影響をうけること、騒音が発生すること、そして通行人の不安を増大させること。通行人は空飛ぶ車が事故や故障で落っこちてこないか常に不安にさらされています。

 

交通インフラ3D化のもう1つのやり方がトンネルです。地下を活用するのです。トンネルには空飛ぶ車が抱える問題点が存在しません。天候の影響はうけませんし、一定の深さであればトンネル建設の際の騒音もない。また、交通量の増大に対しても、階層を深くし、トンネルを増やすことで実質的には無限の移動スペースを確保できます。

 

以上の理由から、イーロン・マスクは「交通渋滞の解消」(=交通インフラの3D化)ために「トンネルを掘る」ことを選択しました。

 

トンネルをアップグレードする

トンネルによって交通渋滞の解消が可能だとすれば、なぜ十分な数のトンネルが存在しないのでしょうか。イーロン・マスクによれば、トンネル掘削コストに理由があるそうです。例えば、LAの場合は1マイル(1.6km)あたり10億ドル(1114億円)という膨大なトンネル掘削コストがかかるとのこと。たくさんのトンネルを掘るため、トンネル掘削のコストを10分の1以下にする必要があると彼は考えます。

 

そして、このコストの問題を解決策として、トンネルの直径を小さくすることが有効だとイーロン・マスクは語ります。現在、米国のトンネルは1レーンで28フィート(8.5m)の直径が必要とされています。これは事故の際の緊急車両の通行&内燃機関(ガソリン車やディーゼル車)が排出するガスの換気のためです。

 

そこで、電動のスケートの上に自動車を載せ、自動車ごとその電動スケートをコントロールするというアイデアが採用されました。動画が公開されているのでご覧ください。


The Boring Company | Tunnels

 

電動スケートは内燃機関ではないため、有害なガスが排出されません。また、各スケートのコントロールが可能になるので、事故もほぼ発生しないと考えていいでしょう。このアイデアによって交通の制御とゼロエミッションを達成し、トンネルの直径を14フィート(4.2m)まで小さくすることができるそうです。直径が半分になると大幅に断面積が減るので、最終的にコストが10分の3~4ほど削減できる予定とのこと。

 

さらに、既存のテクノロジーの流用で掘削スピードもはるかに向上できます。通常、トンネルを掘削する場合は作業割合として掘削に50%、トンネルを支える構造物の建設に50%であり、それらは交互におこなわれます(同時ではない)。これを、トンネルを支えるための構造物を建設しながら掘削できるよう改良することで、継続的な掘削が可能になるそうです。現在のトンネル掘削スピードはカタツムリの移動速度に負けてしまいます。カタツムリの方が14倍は速いとのこと。The Boring Companyはカタツムリに勝つことを目標に掘削スピードをあげていくそうです。

 

また、通常はトンネルを支えるためにコンクリートが用いられますが、The Boring Companyはコンクリートの代わりに掘り出した土を利用することで、環境破壊の抑制とコスト削減も狙っています。世界の温室効果ガス排出の4.5%を占めるのがコンクリートの生産です。実現できれば非常に効果的でしょう。

 

上記に加え、ディーゼルが主流の掘削機の電動化および自動化もおこなうそうです。イーロン・マスクによると、米国ではトンネル掘削はほとんど研究開発が進んでおらず、過去50年間生産性が向上していない分野とのこと。掘削機の研究開発を進めることで、あらゆる角度から合理化を施し、コストを下げ、交通インフラの3D化を達成していくわけですね。SpaceXやTeslaの例からわかるように、ハードウェア・ソフトウェア両面において、イーロン・マスクはアップグレードの達人なのです。きっとトンネル掘削機・技術はすさまじい進化を遂げるでしょう。

 

そして、極めつけはトンネルを利用したHyper loopの運用です。Hyper loopはイーロン・マスクが考案した真空チューブ内を高速移動するという新しい交通手段で、SpaceX主催で学生のコンテストを開催するなど、実現に向けて動いているプロジェクトです。(イーロン・マスクが直接関わっていない会社も多く開発に加わっています)

www.youtube.com

 

Hyper loopでは真空チューブの建設が必要です。トンネルは地下水面の圧力に耐える必要があるので、必然的に内部を真空にしても壊れることがありません。なので、Hyper loopのチューブとしてトンネルを利用できるわけです。ここにきて、イーロン・マスクはHyper loopをも想定に入れた交通インフラの大改革を断行するつもりなのです。

 

このように、イーロン・マスクSpaceXやTeslaで確立した方法論をトンネルに適用することで、トンネル掘削機をアップグレードし、交通インフラをアップグレードし、新しい交通機関であるHyper loopをインテグレートしていきます。SpaceXが地球宇宙間の移動コストを削減するように、Teslaが持続可能なエネルギーの普及を進めるように、The Boring Companyも地球の交通インフラを壮大な規模でつくりかえようとしているのです。The Boring Companyもまた、とてつもないスケールの会社だったということではないでしょうか。

 

参考

FAQ — The Boring Company

www.ted.com

イーロン・マスクはどうやって学習しているのか

f:id:Elongeek:20160915195528j:plain

イーロン・マスクはロケットや電気自動車をつくったりしてます。しかも、垂直着陸可能な再使用ロケットや自動運転機能搭載の電気自動車です。最先端技術をつかっているわけです。

 

しかし、イーロン・マスクがもともとそのような専門知識をもっていたわけではありません。彼が名をあげたのはペイパル(オンライン決済サービス)ですし、最初に立ち上げたのもZIP2というソフトウェアの会社でした。

 

にもかかわらず、イーロン・マスクのインタビューや彼の周りにいる人たちの話を聞くと、彼が自分の事業領域にかんしてハイレベルな専門知識をもっていることがうかがえます。

 

彼はどのようにして膨大な量の情報を吸収していったのでしょうか。

 

イーロン・マスクの伝記を書いたアシュリー・バンスによると、彼は「友達からもらった教科書を読み、専門家や会社のスタッフから話を聞く」ことで、きわめて短い時間で専門家に近いレベルの知識を身につけることができるそうです。

 

イーロン・マスクは複雑で膨大な知識を高速で身につけることができるということ。

 

すごいですよね。彼の能力がずば抜けて高いからそういう芸当が可能、という一面はたしかにあると思います。しかし、もしそれが能力だけによるのではなく、彼の学習方法に秘密があるとすればどうでしょう。日々の学習に活かせるかもしれません。

 

ということで、そのあたりが気になって調べてみました。そして、イーロン・マスクの学習方法を分析したいろんな記事を読んでみてわかったのですが、彼の学習方法はかなり特徴的です。

 

今回、その特徴についてまとめてみることにしました。人生は学習の連続なので、きっと皆さんの役にも立つと思います。

 

 

セマンティック・ツリー・メソッド 

セマンティック・ツリー・メソッドは、このブログで何度か紹介している学習方法です。どういうものかというと、まず、学習しようと思っている知識体系を一本の「木」に見立てます。そして、それらの知識を「木」を構成している要素(「幹」・「枝」・「葉」)に分けていきます。

 

で、最優先で学習すべきなのは「幹」となる知識です。それがないと、「枝」や「葉」といった情報がぶら下がれません。

 

たとえば、歴史上の出来事の年号のような「枝葉」の情報を先に覚えようとしても効率的ではないということです。まずは「幹」となる知識の吸収に集中するという感じで、優先順位をつけて学んでいきましょう、という話。

 

イーロン・マスクのことを詳しく分析したこちらのブログの説明がわかりやすいです。

もし何かを完璧に理解できないんだとしたら、君の頭のなかの(知識の)「木」には「幹」がないってことなんだ。トピックについての新しい知識は新しい「枝」や「葉」のこと。そいつらは「幹」がなかったら何にもぶら下がることができずに落っこちていくだけだよ。

How Tesla Will Change The World - Wait But Why

 


どうやって「幹」をつくるのか

セマンティック・ツリー・メソッドの有効性が納得できて、いざ実行してみようとしても、問題はどうやって「幹」を見つけるのかってところです。

 

これは、同じブログ内に答えがありました。

曖昧な箇所をクリアにしていくことで、僕は頭のなかの木に「幹」を作る。そうすれば、新しい情報はしっかりつかまることができる。

How Tesla Will Change The World - Wait But Why

 

さらに、イーロン・マスクの発言も引用できます。

例えば、エンジンの仕組みを誰かに教えるとします。伝統的なやり方では、「まずは、ねじ回しやレンチについて詳しく教えます」となるでしょう。この方法でエンジンの仕組みを学ぶのは非常に難しい。

「これがエンジンです。さぁ、分解してみましょう」。ではどうやってやるか。そこで、ねじ回しが必要になります。これがねじ回しが存在する理由です。すると、非常に重要なことがおきます。それぞれの道具の関連性が明らかになるのです。

Elon Musk created his own grade school for the children of SpaceX employees | The Verge

 

要するに、情報を「原因」と「結果」に分けて、芋づる式に「原因」をたどるというやり方ですね。「枝」や「葉」はもとをたどれば「幹」へと収束していくってことです。

 

f:id:Elongeek:20160915200308p:plain

Stefan Marti and Keith Emnett - Daboo - Paper

 

このセマンティック・ツリー・メソッドについてはイーロン・マスク本人も推奨していて、いわばイーロン・マスク公認の学習方法です。

 

 

様々な分野を学習する

じつは、一口に「幹」を理解したと言っても、理解の深さはバラバラ。「幹」の理解は、それが深くなるにつれ、他の知識体系=「木」へも適用可能なものとなります。いわば、「幹」の本質を理解するわけです。

 

そして、イーロン・マスクの理解レベルはこの域まで達しています。なので、別な知識体系であってもたやすく「幹」へたどりつくことができるのです。

 

あらゆる知識体系に共通する「幹」の本質的理解ですね。

 

では、どうやって「幹」の理解を深めるのかですが、その答えは「様々な分野を学習する」というものです。

 

たとえば、「幹」を「A」としましょう。この場合、何が「A」を「A」として成立させているのか理解する、これが本質的に「A」を理解するということです。

 

「A」を本質的に理解するためのアプローチは2つ。いろんな「A」を眺めるか、1つの「A」を何度も眺めるか、です。図にしてみましょう。以下の、Approach#1(左の図)とApproach#2(右の図)です。

f:id:Elongeek:20160915200412p:plain

How Elon Musk Learns Faster And Better Than Everyone Else | Observer

 

いかがでしょう。Approach#1のほうが「A」の本質がわかってくるのではないでしょうか。様々な形の「A」を比較することで、「A」を定義づけている本質に迫れるわけです。一方、Approach#2だとむしろゲシュタルト崩壊して、「A」が何だったかよくわからなくなりそうですね。

 

つまり、いろんな知識体系の「幹」を学習していくことで、「幹」の本質がわかってくるということです。

 

そして、その「幹」の本質はあらゆる知識体系に共通するものなので、新しい知識体系の「幹」へ到達するスピードがあがり、「幹」も強固なものになるわけです。

 


専門化は危険?

1つの分野ばかりに打ち込むのではなく、いろんな分野を学習する。これはじつは社会通念とは逆の学習方法です。一般的には、何かをマスターしようと思ったら一生懸命それだけに打ち込むことが推奨されていますよね。

 

しかし、Dean Keith Simontonという人の調査で、いろんな分野を学ぶ効果を裏づける事実がわかりました。

 

Dean氏は20世紀におけるトップのオペラ作家59名を調査しました。彼らがどのようにして傑作を生みだしたのかを調べたのです。

 

調査によると、様々なジャンルの混合によってオペラの傑作が誕生したということがわかりました。専門的に1つのことに打ち込んだからというわけではなかったのです。

 

むしろ、優れたオペラ作家は、過剰な練習による硬直性をクロストレーニング(他分野の学習)によって回避していたそうです。つまり、専門化するより、いろいろな分野に手をだした方が効果的だということを示しています。

 

さらに言えば、専門化をうながす社会通念は弊害であるという指摘さえあります。引用してみましょう。

  

私たちは専門化することが論理的で、自然で、理想的だというトレンドの時代にいる。しかし、人間は包括的な理解をする生き物だ。専門化は孤独感や無力感、また個人的な混乱を呼び起こす。そして、他人に対する社会的な行動や思考をおこなう責任を放棄させる。

How Elon Musk Learns Faster And Better Than Everyone Else | Observer

 

実際に、イーロン・マスクはソフトウェア、オンライン決済、ロケット、自動車、エネルギー、人工知能等の多様なジャンルを学習して、それぞれで成果をだしています。1つの分野に閉じこもらないからこそ、これだけの成果がだせるのではないでしょうか。

 


まとめ

イーロン・マスクの学習方法をまとめるとこうなります。

 

①知識を「原因」と「結果」に分け、「原因」を追及することで知識体系の「幹」をつくる

②他の分野を学習することで、あらゆる知識体系に共通する「幹」の本質を理解する

 

興味のある複数の分野を①でどんどん掘り下げて「幹」に到達すれば、「幹」に共通する本質が見えてきます。=②

 

そうなれば、新しく学ぶ分野の①のスピードがあがり、学習する分野が増えるほど、②が強化され、また①のスピードアップにつながるという好循環になります。

 

結果として、多くの「幹」をもつことになり、膨大な数の「枝葉」の知識がぶら下がれるようになるでしょう。

 

イーロン・マスクは頭のなかに多数の知識体系の「幹」をもち、「幹」の本質を理解している状態なんですね。

 

これによって、1つの分野だけに専門化して「枝」・「葉」・「幹」の優先順位をつけずに学習するよりも、大幅に少ない時間でめざましい学習効果をあげることができるというわけです。これが、イーロン・マスクが膨大な知識を高速で身につけることができる理由でした。 

 

 


参考

observer.com

elongeek.hatenablog.com

elongeek.hatenablog.com

elongeek.hatenablog.com

 

 

 

 

北極がやばい

f:id:Elongeek:20160401221858j:plain

訳)BadAstronomerによる素晴らしい記事。最高温度に注意すべき。平均温度を気にしすぎ。最高温度がもっとも重要なのだ。

地球温暖化の阻止はイーロン・マスクのミッションの1つ。彼がテスラを経営し、ソーラーシティに関わっている理由です。本日発表されたテスラのモデル3もそのために開発されました。そんなイーロン・マスクが絶賛した記事。内容をまとめてみました。
 
北極がどんどん小さくなっている
北極の面積が縮小しています。北極の氷は夏に溶けて、冬に育ち、氷の面積が最大化するのは3月。今年2016年は3月24日で、海氷域面積は1452万平方キロメートルでした。これは観測史上もっとも小さい数字です。
 
北極はどんどん暑くなっている
北極は異常な温暖化を経験しています。12月、1月、2月の気温は異常に高かった。平年より11℃も高かったのです。北極の温暖化によって海氷域面積が減少したわけです。
 
古い氷もどんどんなくなっている
北極には夏になっても溶けずに数年残っている氷があります。そういう古い氷も溶けていってます。古い氷は冬に育つ氷のベースとなるので、海氷域面積の減少につながっていくのです。
 
北極の氷がなくなる
コンピューターモデルでは、2040年の夏に北極の氷は消滅すると予想されています。
北極の氷は毎年9月に面積が最小になるんですが、現在ではその面積はおよそ6000立方キロメートル。そして、北極の氷は10年で約3000立方キロメートルというハイペースで減少していっています。北極に氷がないという異常な事態がやってくるんです。
 
狂った実験
北極の変化を引き起こしているのは地球温暖化です。地球温暖化温室効果ガスが原因。そして、温室効果ガスは人類の化石燃料の消費によって激増しています。
北極の消滅を一例として、地球温暖化が及ぼす影響は様々です。何が起こるか全部予想することはできません。イーロン・マスクはこれを「狂った実験」と呼んでいます。
 
さて、ここまでが記事の内容ですが、ここからわかることは何でしょう。
 
平均気温よりも注意すべきことがある
19世紀から科学的な気温の観測がはじまりました。そこ(1906年)から2005年までに、地球の平均気温は0.78℃高くなりました。0.78℃。どうってことないんじゃない?と感じる方もいるでしょう。
ですが、0.78℃の上昇はあくまで地球の平均気温です。地域によって気温の上昇具合も違うし、影響も違う。北極の状況はその良い例なんです。イーロン・マスクが平均気温を気にしすぎと言ったのはこういうことでしょう。私たちは地球の全体的な温暖化を経験していると同時に、局所的に大きな気候変動も経験している。この事実を見過ごしてはいけませんね。
 
 

参考

www.techinsider.io

広告を非表示にする

スペースXの船上着陸失敗は予想どおりだけど打ち上げには成功したよ

f:id:Elongeek:20160305122123j:plain

ファルコン9ロケット22号機の打ち上げが成功しました。SESの通信衛星の軌道投入です。人工衛星が投入されるのは静止軌道。最近の打ち上げでは人工衛星を低軌道へ投入していたので、ここらへんが今回のミッションの特徴でしょうか。

 

SESは人工衛星を取り扱う企業です。SESによると、今回の通信衛星をつかって北東アジア、南アジア、インドネシアへ通信サービスを提供するそうです。

 

打ち上げは何度か延期されてなかなか順調にはいきませんでした。色んな要因がありました。ロケットに搭載された液体酸素のトラブル、強風、進入制限エリアへのボートの侵入などです。カウントダウン残り数秒でのシャットダウンなんかはすごかったですね。最終的には成功したのでよかったですよ。

 

さて、注目されていたのはファルコン9ロケット一段目の船上着陸。再使用ロケットのための技術です。過去に何度も失敗している船上着陸ですが、スペースXは諦めません。

 

しかし、結果は「予想どおり」失敗。「静止軌道への投入ということもあり、着陸の成功は望めません」スペースXは事前にこのように述べていました。仕方ないですね。

 

イーロン・マスクのコメントはこちら。

 

ロケットの船上着陸は激しいものだった。期待はしてなかったけどね(非常に高温の再突入)。しかし、次の打ち上げは期待できる。

 

今回の人工衛星ペイロード)が目指すのは静止軌道でした。静止軌道は赤道から3万6000キロも離れたところです。一方、低軌道は高度2000キロ以下を指します。距離がぜんぜん違うわけです。

 

しかもペイロードの重さは5300キロもありました。これはスペースXが静止軌道へ投入したペイロードのなかでもっとも重い。とまぁ、こんな感じの違いで最初から期待されてなかったのです。

 

ちなみに、スペースXのファルコン9ロケットは陸上への着陸には成功しています。しかし、海上への(船上)着陸は難しい。

 

それでもスペースXは海上に浮かべた船(ドローンシップ)へのロケット着陸に挑戦しつづけます。彼らがどうしても船上着陸技術を手に入れたい理由についてはこちらをご覧ください。

elongeek.hatenablog.com

 

次のミッションは国際宇宙ステーションISS)への補給(の予定)です。ISSは約400キロの低軌道をぐるぐるまわってます。静止軌道よりぜんぜん低いです。ロケットの着陸も予定されています。イーロン・マスクも成功を予感していますし、楽しみですね。

 

 

参考

www.theverge.com

losangeles.cbslocal.com

www.pcworld.com

arstechnica.com

イーロン・マスクのスピーチに隠された秘密

f:id:Elongeek:20160225204243j:plain

人々はイーロン・マスクに魅了されます。能力や実績はもちろんのこと、彼のスピーチもきわめて魅力的。そこにはある秘密が隠されていました。
 
その秘密とは「現在形(現在時制)の多用」です。
イーロン・マスクはスピーチのなかで現在形を多用するのです。
 
秘密を暴いたのはNoah Zandanという人物。コミュニケーションを分析し、その結果をサービスとして提供する会社であるQuantified Communicationsの創業者・CEOです。
 
彼によると、イーロン・マスクは一般的な人々より4倍も多く現在形をつかっているそうです。
 
Zandanと彼のチームは、過去5年間におこなわれた40ものイーロン・マスクのスピーチを調べました。テスラの収支報告も含まれています。
 
一例として彼が提示したのがこちら。(黄色でハイライトされているのが現在形、未来時制は緑色です)
イーロン・マスクがいかに現在形を多用しているのかわかりますね。

f:id:Elongeek:20160225204332j:plain

 
ZandanはQuantified Communicationsで様々な人々の何百万というスピーチを定量化して人間のコミュニケーションのデータベースをつくりました。それらのスピーチを分析し、要素に分解して、徹底的に調査したのです。
 
その結果、イーロン・マスクに限らず、優れたリーダーは現在形を多用していることがわかりました。
 
彼らのスピーチでは一般的な人々よりも現在形が15%多く、未来形は14%少なかったそうです。
 
説得力があり、行動をおこさせるようなスピーチをするリーダーたちに共通する特徴だったのですね。
 
イーロン・マスクは火星移住、電気自動車や自動運転車の普及など輝かしい未来を約束してくれます。しかし、彼はそれをただ未来のこととして語るのではありません。現在すでに進行しはじめていることとして語っている。だから聴衆は魅了されるのです。
 
未来を現在に直結させる。イーロン・マスクの魅力的なスピーチの秘密は時制のつかい方にありました。
 
 
 

参考