イーロン・マスクのすすめ

最高の男、イーロン・マスクについてのブログ

スペースXの船上着陸失敗は予想どおりだけど打ち上げには成功したよ

移転しました。

f:id:Elongeek:20160305122123j:plain

ファルコン9ロケット22号機の打ち上げが成功しました。SESの通信衛星の軌道投入です。人工衛星が投入されるのは静止軌道。最近の打ち上げでは人工衛星を低軌道へ投入していたので、ここらへんが今回のミッションの特徴でしょうか。

 

SESは人工衛星を取り扱う企業です。SESによると、今回の通信衛星をつかって北東アジア、南アジア、インドネシアへ通信サービスを提供するそうです。

 

打ち上げは何度か延期されてなかなか順調にはいきませんでした。色んな要因がありました。ロケットに搭載された液体酸素のトラブル、強風、進入制限エリアへのボートの侵入などです。カウントダウン残り数秒でのシャットダウンなんかはすごかったですね。最終的には成功したのでよかったですよ。

 

さて、注目されていたのはファルコン9ロケット一段目の船上着陸。再使用ロケットのための技術です。過去に何度も失敗している船上着陸ですが、スペースXは諦めません。

 

しかし、結果は「予想どおり」失敗。「静止軌道への投入ということもあり、着陸の成功は望めません」スペースXは事前にこのように述べていました。仕方ないですね。

 

イーロン・マスクのコメントはこちら。

 

ロケットの船上着陸は激しいものだった。期待はしてなかったけどね(非常に高温の再突入)。しかし、次の打ち上げは期待できる。

 

今回の人工衛星ペイロード)が目指すのは静止軌道でした。静止軌道は赤道から3万6000キロも離れたところです。一方、低軌道は高度2000キロ以下を指します。距離がぜんぜん違うわけです。

 

しかもペイロードの重さは5300キロもありました。これはスペースXが静止軌道へ投入したペイロードのなかでもっとも重い。とまぁ、こんな感じの違いで最初から期待されてなかったのです。

 

ちなみに、スペースXのファルコン9ロケットは陸上への着陸には成功しています。しかし、海上への(船上)着陸は難しい。

 

それでもスペースXは海上に浮かべた船(ドローンシップ)へのロケット着陸に挑戦しつづけます。彼らがどうしても船上着陸技術を手に入れたい理由についてはこちらをご覧ください。

elongeek.hatenablog.com

 

次のミッションは国際宇宙ステーションISS)への補給(の予定)です。ISSは約400キロの低軌道をぐるぐるまわってます。静止軌道よりぜんぜん低いです。ロケットの着陸も予定されています。イーロン・マスクも成功を予感していますし、楽しみですね。

 

 

参考

www.theverge.com

losangeles.cbslocal.com

www.pcworld.com

arstechnica.com