イーロン・マスクのすすめ

最高の男、イーロン・マスクについてのブログ

なぜイーロン・マスクは科学者ではなくエンジニアになったのか

移転しました。

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イーロン・マスクがスペースXをスタートしたとき周りの人間は猛烈に反対したそうです。いくらお金持ちでも今までロケット事業で成功した者はいない。宇宙事業は政府がするものだ。しかし、イーロン・マスクはロケット素材の市場価格から計算し、事業の見通しを立て、周りの反対意見を振りきってスペースXを設立しました。

イーロン・マスクはこの意志決定を「第一原理」(First Principles)から導き出したと言います。そして、じつはこの「第一原理」から思考をスタートするやり方は非常に科学者的だと言えるのです。

「親がそう言ったから」、「先生がそう言ったから」、「評論家がそう言ったから」、「成功者がそう言ったから」のような「◯◯がそう言ったから」という態度で物事を眺めるのではなく、観測した(物理学的明確さをもった)結果からロジカルに考える思考。これが「第一原理」から考えるということで、そこに他人の意見が入り込む余地はほとんどありません。

もし科学者が「◯◯がそう言ったから」的態度だったとしたら、いまでも地球は平らなままかも知れませんし、地球の歴史は6000年のままだったかもしれません。観測結果(データ)をもとにロジカルに考えた結果が社会通念と異なっていたとき、社会通念ではなく持論を選択するのが科学者的態度です。そして、これこそまさにイーロン・マスクの言う「第一原理」から考えるということ。
 
つまり、イーロン・マスクは科学者的態度のエンジニア(兼実業家)だということです。
 
では、ここまで科学者的態度を貫くイーロン・マスクはなぜ科学者ではなくエンジニアになったのでしょうか。幼いころから人類の文明の発展に貢献したいと考えていたイーロン・マスクです。偉大な科学的発見が文明を推し進めてきたことは疑いようのない事実。それなら自然と科学者を目指すはずではないかと思ってしまいます。
 
この問いにたいしてイーロン・マスクはこう語ります。
物理学を自分のキャリアにしようと考えていた時期がありました。物理学を専攻していたのです。しかし、昨今の物理学の発展はデータを必要とします。物理学は根本的にエンジニアリングの発展に支配されている。この議論-エンジニアと科学者どちらが優れているか?科学者が優れている?アインシュタインはもっとも優れた人だった?-は、個人的には、エンジニアのほうが優れていると思います。なぜならエンジニアリングがなければデータが得られないからです。(科学は)限界を迎えてしまう。もちろん限られたデータのなかで優秀になることはできますが、それ以上のデータを取得する手段がない限り進展はありません。ガリレオがいい例です。彼は望遠鏡を設計しました。これによって木星に衛星があることを突き止めたのです。言うなれば、(科学の)限定因子はエンジニアリング。文明の発展を望むなら、限定因子への対応が求められます。したがって、エンジニアリングに取り組むべきなのです。
 
つまり、今回のテーマ「なぜイーロン・マスクは科学者ではなくエンジニアになったのか」にたいするイーロン・マスクの答えは:
 
エンジニアリングと科学どちらも素晴らしいが、エンジニアリングがなければ科学はない。なので、エンジニアリングを選んだ。

エンジニアリングと科学どちらも素晴らしいが、科学はエンジニアリングがあってはじめて発展する。なので、エンジニアリングを選んだ。
 
いかがでしょうか。色んな意見はあると思いますが、イーロン・マスクらしい非常に合理的な選択だと思いませんか。

 

参考