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イーロン・マスクのすすめ

最高の男、イーロン・マスクについてのブログ

イーロン・マスクの生い立ちやスペースX、その背景について

生い立ち

 

 前回に引き続き、今回もインタビュー記事から印象に残った話をピックアップしていきたいと思います。ご紹介するのはThink TANKのインタビュー。

 

http://www.pbs.org/thinktank/transcript1292.html

 

f:id:Elongeek:20150224204017j:plain

 

 

 まずはイーロン・マスクの生い立ちから話がスタートします。Think TANKのインタビューはいつもこんな感じだそうです。

 

 私は南アフリカで生まれて、17歳になるまでそこで育ちました。その後両親の反対を押し切って北アメリカへ。カナダで数年を過ごしましたが、そこの学校で妻と出会いました。ペンシルバニア大学で物理学を専攻して、ウォートン・スクールで経営学を専攻しました。それからカリフォルニア電気自動車のエネルギー貯蔵ユニットを視野に入れて材質科学と物理学で博士号をとりにいきました。結局卒業をのばしていくつかの分野で仕事をはじめました。皆さんご存知でしょうけどPayPalなどです。

 

Well, I was born in South Africa, lived there until I was 17. Came to North America of my own accord, against my parent痴 wishes. And was in Canada for a few years. I started school there which is where I met my wife.

Transferred down to the University of Pennsylvania and got a degree in physics, degree in business at Wharton. Came out to California with the intent of doing a PHD in the material science and physics [unintelligible] with an eye towards using that as an energy storage unit for electric vehicles.

I ended up deferring that graduate work to start a couple to start a couple of area companies, one of which people have heard about, such as Pay Pal.

 

 

 

 イーロン・マスクは1971年に南アフリカで生まれました。カナダ人でモデルをやっていた母と南アフリカ生まれのエンジニアであるイギリス人の父が彼の両親で、1980年に両親が離婚してからはイーロンは主に父親のもとで暮らします。いつかアメリカに行きたいと考えていたイーロンは南アフリカからアメリカに移住するよりも、カナダからのほうが移住しやすいと考えて、まずは母の故郷であるカナダへ渡ったそうです。ここらへんの現実的な思考はさすがですね。それから21歳までをカナダで過ごし、念願かなってアメリカのペンシルパニア大学へ入学。そこで物理学と経済学を学びます。3年後、スタンフォード大学へ移ることになるのですが、インターネット、再生可能エネルギー、宇宙の分野で起業したいという野望のもとスタンフォード大学をわずか2日で去ります。ちなみにスタンフォード大学は超名門で、2006年度のニューズウィーク世界大学ランキングでは第2位につけているほど。そんな大学を2日で辞めるんだから自分の考えに絶大な自信があったのでしょう。

 

 

 

 この後インタビュワーはPayPalについて質問してますが、そこは今回は飛ばしますね。インタビュワーはPayPalの仕組みがいまいちわからないようで、イーロンに教えてもらってます。とにかく今までにない決済システムを作ったってことでインタビュワーは納得してました。PayPalについてはまた別な記事でまとめて紹介しようと思います。イーロンはPayPalの前身にあたるX.comという会社をつくる前に、兄弟であるキンバル・マスクと二人でZip2という会社を立ち上げました。この会社はニューヨーク・タイムズのようなメディア向けのソフトウェアを制作する会社で、インターネット上でコンテンツを公開したり管理したりできる機能のほか、マップや道案内、イエローページが持ってるような機能も揃えていました。このZip2を売却することによって約22億円ほどの資金を得たイーロンは、その後X.comを立ち上げます。X.comはPayPalと名前を変え、最終的にeBayに売却されました。そしてイーロンの手元には約165億円ものお金が転がり込みます。そこからテスラモーターズやスペースX、ソーラーシティなどを立ち上げていくわけです。現代版わらしべ長者みたいな話ですね。

 

 

 

スペースXについて

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 インタビューはスペースX社の工場でおこなわれてるようです。そこで話はスペースXへ。インタビュワーが工場を見渡しながらスペースXの話を聞いていきます。

 

 

スペースXは人工衛星や人々を軌道上もしくはその先へ打ち上げるマーケットを開拓しています。小さなロケットであるファルコン1はすでに開発を終えいていくつかの打ち上げも成功させてます。そして今開発に取り組んでいるのが大きなロケット、ファルコン9です。これは宇宙ステーションのために開発していますが、ファルコン9を使って大きな人工衛星を軌道上に打ち上げることも狙っています。

 

SpaceX is developing markets for taking satellites and people to orbit and beyond. So, we致e finished development of and done a few test launches in our small rocket, which is the Falcon One, which you see part of over here.

And we have in development a big rocket which is the Falcon 9. And that痴 intended to service the space station, as well as deliver very large satellites to orbit.

 

 

 

 

 ちょっとファルコン1とファルコン9について説明しておきますね。ファルコン1は低軌道へ安く打ち上げることを念頭にデザインされた小さめのロケットです。それにたいしてファルコン9は大きな貨物や人間を打ち上げることを目的としてデザインされたロケットで、ISS国際宇宙ステーション)への補給もおこないます。ファルコン1もファルコン9も二段式のロケットですが、末尾の数字は一段目のエンジンの数をあらわしています。ファルコン9は9個もエンジンが載ってるんですね。1段目のロケットは切り離されたあとの再利用を目標としている点が特徴的なんですが、スペースXのロケットについてはまた別な記事で詳しくやりたいと思います。

 

 

 

 ちなみにイーロンはスペースXのロケットのデザイナーでもあり、セールスマンでもあります。インタビューの中でもこの2つの組み合わせがとても素晴らしいと言われてますが、ピーター・ティールもその点でイーロンを絶賛してました。ピーター・ティールはPayPalマフィアのボスと呼ばれる人物です。PayPalマフィアとは、PayPal出身で活躍してる起業家たちのことを指しますが、PayPal出身の人々は本当に優秀でビジネス界で次々に成功をおさめていくのでいつしかPayPalマフィアと呼ばれるようになりました。そのボスがピーター・ティール。もちろんイーロンとは一緒に仕事をした仲で、イーロンのすさまじい能力を目の前で見ていたことでしょう。いや、ピーター・ティールもすごいんですけどね。

 

 

 

 続いてインタビューは火星について。インタビュワーがイーロンに火星に行きたいかどうか訪ねています。それにたいしてイーロンの答えは。

 

 

個人的に火星に行きたいわけではなく、私の火星への興味というものは地球外に生命を送りたいという思いからきています。私の知る限り、生命は地球にしか存在しません。40億年の地球の歴史のなかで、はじめて生命が他の星へ渡るチャンスなのです。 

 

I wouldn稚 say -- I mean, I wouldn稚 say it痴 a personal interest of mine to go to Mars, but really my interest in going to Mars is from the standpoint of the extension of life beyond earth. To the best of my knowledge life exists only on earth. And this is the first time in the 4 billion year history of earth that it痴 possible to extend life to another planet.

 

 

 

 インタビュワーからその動機を尋ねられるイーロン。登山家がエベレストに挑戦するようなものなのかと質問されます。トランスクリプトがわかりにくいのでかなり意訳してます。ご了承ください。

 

 

いえ、違います。(中略)これはそのようなカテゴリーのものではありません。私がなぜ生命を他の星へ送ることが重要だと考えているか、それはもっと深遠で哲学的で基本的な理由からです。重要であるとは何かという本質的な話になりますが、もしあなたが何かを重要だと思ったとき、それが本当に他のものより重要だと示すにはどうしたらいいでしょうか。私は歴史を振り返えることをおすすめします。では、地質学的なスケールから生命の歴史をみたとき、何が歴史において重要な出来事だったでしょう。人類の歴史という狭い視野ではなくてですよ。

どうでしょうか、最も重要な出来事とは単細胞生物の到来ではないでしょうか。そして多細胞生物、植物、動物など・・・。

 

インタビュワー:火や車輪などの発明ではないのですか?

 

それは人類にとって重要だった出来事に過ぎません。人類の歴史という文脈において重要であるというだけです。

 

インタビュワー:なるほど。

 

生命の歴史という文脈においてですが、生命の生存領域が拡張するような出来事が起きました。生命は海から発生し、陸へ上がったのです。そして哺乳類が誕生し、意識が発達。そういうレベルの事象が10回から12回ほど起こりました。そして人類において重要な出来事、火や車輪やインターネットといったもの発明があるのです。

 

But this is not in that category, this is really much thicker, deeper philosophical underpinings better financed to why I think it痴 important to extend life beyond earth.

It goes to the nature of importance. How do you decide that one thing is important versus another. And the layers of history -- I guess a good way to distinguish whether something is important or not.

If you look at the history of the earth upon a geological grand scale -- what are the really important milestones in the history of life itself. Forget about the parochial concerns of humanity.

Then you say, well, certainly there was the advent of single cell life, multi cellular life, plants versus animals --

 

インタビュワー:invention of fire, the wheel, that kind of thing.

 

That痴 actually a very [unintelligible] humanity. That痴 actually [unintelligible] factor (speaking over each other) Those are only important in the context of humanity.

 

インタビュワー: Oh, I see, okay.

 

I知 talking about things that are important in the context of life itself. So, you know, there痴 life extending -- life emerging from the oceans and moving up to land.

There痴 the advent of mammals, the devopment of consciousness. These are -- there痴 maybe ten or twelve things that fed on to that scale.

And then within a subset of man痴 achievements would be things like fire, wheel, the internet and that sort of thing.

 

 

 

 引用が長くなりましたが、内容があまりにも衝撃的だったので・・・。これ、イーロンが何を言っているかというと、生命にとって重要だからスペースXを立ち上げたって話なんですね。生命が誕生してから今に至る長い長い歴史を振り返り、そしてもっとも重要なことを見定めてチャレンジを決意したんです。ちょっとスケール感が圧倒的すぎてついていけなくなってしまいそうですが、イーロン・マスクとはそういう男なのでしょう。彼にとっては人類史ですら狭苦しいものだということです。

 

 

 

 イーロン・マスクはスペースXでロケットを打ち上げ、生命を火星へ到達させるつもりです。かつて生命が地球にやってきたように、生命が海から陸へあがったように、生命の生存領域を拡張させるつもりです。そのために私財を投げ打って、とてつもないリスクを負いながらロケット開発に打ち込んでいます。しかも彼がやってるのはロケット事業だけではないのです。テスラモーターズで世界中の自動車を電気自動車に移行させることを目論み、ソーラーシティでは太陽光パネルを普及させるつもりですし、ハイパーループで交通機関の革命も起こそうとしてます。しかも衛星コンステレーションといって複数人工衛星をまとめて動作させることにより地球全域をインターネット環境におくことも考えていて、すでにPayPalでは世界の決済システムを変えています。一つ一つのことがめちゃくちゃな規模の事業です。たった一人の人間がこれだけのことを同時におこなっているんだから本当に驚くしかありません。だから僕はイーロン・マスクこそ人類史上もっとも偉大で優れた人間だと言いたいのです。(彼からすると人類史上なんてあまり興味ないかもしれませんが)

 

 

 

 さて、この後インタビューでは宇宙の創造主を信じるか(イーロンは信じないそうです)や、NASAについての質問が続きます。さきほど長い引用を使ったので引用なしで説明しますが、スペースXというのは民間で初めてロケット打ち上げに成功した会社なんですね。NASAをはじめ、日本のJAXAなどはすべて政府主導の機関です。ロケット事業なんてものは膨大な予算を使いながら長期的な視野でやっていかないといけないものだったので、とても民間企業には手が出せなかったんです。しかしイーロン・マスクはロケットの素材から製作コストを自分で算出し、およそ十分の一ほどのコストでロケットを作ることに成功します。そしてNASAを一番大きなお客さんとして急成長していくわけです。最近では衛星打ち上げの分野でGoogleなどからも資金を調達してますし、スペースXが作りだしたマーケット規模はどんどん拡大していくでしょう。まさに破竹の勢いってやつです。政府事業に比べ、イーロン・マスクのような経営者が率いる民間企業だとスピードが桁違いですね。

 

 

 

 インタビューは続き、規模が大きくなった会社が陥りがちなミステイクの話や、テスラモーターズの話に突入していきますが、今回はこのへんで筆を置きます。ちなみにスペースXは従業員が毎年倍増していっているそうです。Appleから優秀な人材がテスラモーターズに移っているという記事がありますね。リンク貼っときます。おもしろい記事でしたのでぜひ読んでみてください。

 

http://gigazine.net/news/20150209-tesla-attract-apple-worker/

 

 

 

 ではまた。